食料品の消費税1%はいつから?どう備える?|閣議決定の中身と、浮いた分の回し方
最終更新: 2026年8月/最終確認: 2026年8月(この記事は方針決定の段階で書いています。9月の税制改正大綱の内容が出たら追記します)
こんにちは、ロッキーです。
手取り12万円(基本給14万円)からスタートして、固定費の見直し→先取り貯金→NISAの順番で、貯金500万円を作った元公務員です。
2026年8月5日、政府が臨時閣議で食料品の消費税を8%から1%に引き下げる基本方針を決定しました。
ニュースを見て「え、食費が安くなるの?」と思われた方も多いと思います。私もそうでした。
ただ、調べていくうちに、大事な前提が3つあることが分かりました。
- 決まったのは政府の方針までで、法律はまだ成立していません
- 始まるとしても2027年4月から。いまの買い物の値段は変わりません
- 対象は外食とお酒を除いた飲食料品です
この記事では、この3つを整理したうえで、自分の家計だと年いくら浮く可能性があるのかを、家計簿から計算する方法までお伝えします。
この記事でわかること
- 8月5日に決まったこと・決まっていないこと(ここを混ぜている記事が多いので、最初に整理します)
- なぜ0%ではなく1%なのか(実はきちんとした理由があります)
- 年いくら浮く?のつかみ方(電卓ひとつと早見表でできます)
- 2027年4月まで、待っている間に何をしておくか
結論|8月5日に決まったこと、まだ決まっていないこと
まず、いちばん大事なところから。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| ✅ 決まったこと | 飲食料品の消費税率を8%→1%にする政府の基本方針(2026年8月5日 臨時閣議で決定) |
| ✅ 決まったこと | 実施は2027年4月1日から2年間(2029年3月31日まで)。期間終了後は8%に戻す方針 |
| ✅ 決まったこと | 対象は軽減税率の対象になっている飲食料品。外食と酒類は対象外(10%のまま) |
| ⚠️ まだ決まっていない | 法律が成立していません。9月に税制改正大綱をまとめ、秋の臨時国会に法案を提出する予定 |
| ⚠️ まだ決まっていない | 残る1%相当を給付に回す「実質ゼロ化」の金額・対象・方法(2027年6月以降の支給が想定されています) |
| ⚠️ まだ決まっていない | 財源の内訳。赤字国債(特例国債)に頼らず、租税特別措置や補助金の見直しなどで確保する方針とされています(2年間で10兆円規模の減収見込み) |
(出典: 時事ドットコム「消費減税方針を閣議決定 食品1%、来年4月から2年間」/日本経済新聞「食品消費税27年4月から1%、政府が午後決定へ」)
ここでいちばん強調しておきたいのは、「閣議決定」は「法律が成立した」という意味ではないということです。
閣議決定は、政府としての方針を固めた段階。これから与党で税制改正大綱をまとめ、法案を国会に出して、可決されて、はじめて制度になります。このあと内容が変わる可能性は、まだ残っています。
ネット上には「食料品の消費税が1%に決定!」という見出しが並んでいますが、いまの正確な言い方は「1%にする方針が決まった」です。
ちなみに、消費税が導入された1989年以来、税率が引き下げられるのは初めてになります。上がる話ばかり聞いてきた身としては、そこは素直に驚きました。
なぜ0%じゃなく1%なのか
「実質ゼロにするなら、最初から0%にすればいいのでは?」
正直、なぜ0%じゃないんだ、と最初は思いました。調べてみると、政府側の説明が出てきました。
レジのシステム改修に必要な期間の差です。このように説明されています。
税率を0%にすると、POSレジのシステム改修に約1年かかるとされています。既存の税率区分の数字を書き換えるだけでは済まず、作り替えに近い対応になるためです。一方、1%であれば「税率の数字を差し替えるだけ」で済むため、5〜6か月で対応できる、というのが政府側の説明でした。
だから0%ではなく1%。「早く始めるための1%」というわけです。
そして、残った1%相当の税収は、中低所得の方への現金給付に回して「実質ゼロ」にする、というのが政府の方針です。給付は2027年6月以降が想定されていますが、金額も対象も方法も、まだ決まっていません。
ただ、白状すると、このように説明されても、私の頭ではなかなか理解ができていないというのが実情です。では、1%であればレジの改修に1年かからずに済むのか。そこは素人には確かめようがありません。考えても仕方のないところなので受け入れるしかないのですが、複雑な気持ちは残っています。
対象は「外食とお酒を除く」飲食料品です
ここも見落とされやすいところです。
今回の引き下げの対象は、いま軽減税率(8%)が適用されている飲食料品。ですから、次のものは対象外で、10%のままです。
- 外食(レストラン、フードコートなど、その場で食べるもの)
- 酒類(ビール、日本酒、ワインなどのお酒)
逆に、スーパーやコンビニで買う食材、お弁当やお惣菜の持ち帰り、宅配のお弁当などは、軽減税率の対象です(国税庁「消費税の軽減税率制度」)。
なぜこれが大事かというと、次の計算のときに、この線引きを間違えると答えが変わってしまうからです。家計簿の「食費」をまるごと計算に使うと、外食とお酒の分だけ多く見積もることになります。
なお、対象品目の細かいところや経過措置は、法案の審議のなかで固まっていく部分です。ここも現時点では確定ではありません。
自分の家計だと年いくら浮く?|2ステップと早見表
お待たせしました。ここからが本題です。
平均値の話をされても、自分の家計に当てはまるかは分かりませんよね。なので、あなたの家計簿の数字でそのままつかめる形にしました。電卓ひとつ、2ステップです。
ステップ1:食費から「外食」と「お酒」を引く
まず、1か月の食費から、外食代とお酒代を引きます。残ったのが、今回の引き下げの対象になる金額です。
私は家計簿を5年以上つけていて、食料品と外食は分けて記録しているので、この計算はすぐに出せました。ただ、分けていないとできない話ではありません。
食費をひとまとめで記録している方、家計簿をつけていない方は、直近1か月分のレシートやクレジットカードの明細を見て、合計から外食とお酒の分を引くだけでも見当はつきます。それも大変であれば、今月のひと月だけ「食料品」と「外食」を分けてメモしてみるのも手です。1円単位まで合わせる必要はありません。おおよその金額さえ分かれば、このあとの計算は十分に成り立ちます。
(記録そのものが続かない、という方は家計簿が続かない人へ|固定費と大きな支出から始める3ステップに、負担を最小にするやり方を書いています)
ステップ2:年間の金額にする
ステップ1の金額に12をかけます。ボーナス時期やお正月で、食費は実際にはもう少し増えると思います。ただ、どの程度増えるかまで正確に出すのは難しいので、少し足して多めに見積もっておくと安心です。
浮く金額は、早見表で目安をつかんでください
年間の金額が出たら、浮く金額はざっくり「支払額の約6.5%」です。細かく計算するより、下の早見表で目安をつかむほうが早いと思います。
| 1か月の食料品代(外食・お酒を除く・税込) | 1年間で浮く金額の目安 |
|---|---|
| 30,000円 | 約23,000円 |
| 40,000円 | 約31,000円 |
| 50,000円 | 約39,000円 |
| 60,000円 | 約47,000円 |
| 75,000円 | 約58,000円 |
| 90,000円 | 約70,000円 |
参考までに、総務省の家計調査(2025年平均)では、二人以上の世帯の食料費は1か月あたり94,895円。このうち外食が16,563円、酒類が3,784円なので、引き算すると約74,500円になります。表の75,000円の行、年間で約5万8千円が目安ということですね(総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年平均」)。
年5万8千円。決して小さくない金額です。
そして、この計算のいちばんの収穫は、浮く金額そのものではないと思っています。自分が食料品と外食にいくら使っているかを、把握できることです。ここが見えると、減税を待たなくても、自炊を少し増やす・お酒の頻度を見直すなど、今日から動けるようになります。
ただし、これは減税分がまるごと値札に反映された場合の話です。実際には、次の話も一緒に見ておく必要があります。
この減税が効きにくい人もいます
先に正直なところをお伝えしておきます。次のような方は、思ったほど恩恵を感じられない可能性が高いです。
- 外食の割合が高い方(外食は対象外で10%のまま。自炊が中心の方ほど効きます)
- お酒をよく飲む方(酒類も対象外です)
- もともと食費を絞っている方(減税額は支払額に比例するので、食費が少ないほど浮く額も小さくなります。月3万円なら年2万3千円ほどです)
3つ目は、書いていて少し複雑な気持ちになった部分でもあります。節約を頑張ってきた人ほど、減税で戻ってくる額は小さい。これは制度の仕組み上そうなる、というだけの話ですが、知っておくと期待値の置き方が変わると思います。
⚠️ ここは冷静に:値上げのペースのほうが速いかもしれません
同じ家計調査に、気になる数字があります。2025年の食料費は、金額では前年比5.5%増、実際に買えた量では1.2%減。「同じだけ払っているのに、買えるものは減っていた」ということです。
今回の減税で戻ってくるのが、支払額の約6.5%相当(8%→1%になると、税込の支払額に対して減るのは7÷108=約6.5%、という計算です)。食料品の値上がりが年6.5%を超えるペースで続けば、浮いた分は物価上昇に吸収されます。
実際、2026年9月には食品の値上げが4,531品目と年内最多になる見込みです。9月の値上げと新米の話は別の記事で詳しく書いていますが、減税を待つ一方で、値上げも同時に進んでいるというのが正確な現在地だと思います。
じゃあ、期待しないほうがいいってこと?
そうではありません。「浮く分をあてにして支出を増やさない」というだけです。年5万8千円が浮いたとして、それをそのまま生活費に溶かすのか、貯金や投資に回すのか。決めておくかどうかで、2年後の結果はまったく変わります。
専門家からは、こういう指摘も出ています
賛否のある話なので、この記事では政治的な立場には踏み込みません。ただ、家計に関わる論点として知っておいたほうがいい指摘があるので、出典つきで紹介しておきます。
野村総合研究所の木内登英氏は、この方針について次のような点を挙げています(「食料品の消費税率引き下げが閣議決定」・2026年8月6日)。
- 消費税率引き下げの恩恵は、高所得者により多く及ぶ(食費の絶対額が大きいほど減税額も大きくなるため)
- 年5兆円規模の安定財源の確保は事実上難しいのではないか
- 2年後に税率を元へ戻す政治的ハードルは高く、なし崩し的に恒久減税になるリスクがある
これはあくまで一人の専門家の見方であって、決まった話ではありません。ただ、「2年で終わる予定の措置」として設計されているという点は、家計の計画を立てるうえで押さえておいて損はないと思います。
2年後に8%へ戻る前提で考えるなら、浮いた分は生活の水準を上げるのではなく、貯める・投資するほうに回しておく。私はそうするつもりです。
2027年4月まで、何をして待つか
最後に、いちばん現実的な話をさせてください。
この制度が始まるのは、早くても2027年4月です。いまから8か月以上先。しかも法律はまだ成立していません。
待っている間の家計は、いまと何も変わりません。
私が今回のニュースでいちばん強く思ったのは、そこでした。減税の話はうれしいのですが、それを待つ姿勢でいるあいだ、家計は1円も改善しないんです。
私は元公務員で、給料から税金が自動的に引かれる立場でした。個人事業主になって確定申告を自分でやるようになってから、税金が急に「自分ごと」になったという感覚があります。ニュースの税制の話を、他人事として流さなくなったんです。
そのうえで思うのは、税制は自分では動かせないけれど、固定費は今日動かせるということでした。
- スマホ代を月3,000円下げる → 年36,000円。今日申し込めば、来月から効きます
- 使っていないサブスクを2つ解約する → 年間で数万円
さきほどの試算で出た「減税で年5万8千円」と比べてみてください。固定費の見直しで手が届く金額と、そう変わりません。しかも、こちらは国会の審議も法案の成立も待たなくていい。
減税は、来たらうれしいボーナスくらいに考えておく。土台のほうは、自分の手で先に整えておく。この順番でいるのが、いちばん振り回されずに済むと思っています。
具体的な固定費の見直し方はこちらの記事にまとめているので、あわせて読んでみてください。
まとめ
- 2026年8月5日、飲食料品の消費税を8%→1%にする基本方針が閣議決定されました。ただし法律はまだ成立していません
- 実施は2027年4月1日から2年間の予定。対象は外食とお酒を除く飲食料品です
- 0%ではなく1%なのは、レジの改修期間の差(0%は約1年、1%なら5〜6か月)。早く始めるための1%です
- 年いくら浮くかの目安は「食料品代(外食・お酒を除く)×12か月×6.5%」。二人以上の世帯の平均で年約5万8千円です
- ただし食料品の値上がりが年6.5%を超えれば、浮いた分は吸収されます。浮いた分で生活水準を上げず、貯金・投資に回すのがおすすめです
- 待っている8か月のあいだ、家計は自動的には良くなりません。固定費の見直しなら今日から効きます
減税のニュースは、久しぶりに前向きな話でした。だからこそ、「いつから・いくら・自分の場合は」まで自分の手で確かめておくと、期待しすぎることも、逆に見落とすこともなくなります。
まずは今日、直近1か月の食費から外食代とお酒代を引いてみてください。その数字を12倍して、早見表に当てはめる。出てきた金額が、あなたの家計にとっての2027年4月の大きさです。そして、その分の行き先——貯金か、投資か——まで決めておけば、この減税は待つだけのニュースではなくなります。
この記事は、9月の税制改正大綱の内容が出たタイミングで追記します。決まっていなかった部分がどう固まったか、そのときにお伝えしますね。
参考にした資料
- 時事ドットコム「消費減税方針を閣議決定 食品1%、来年4月から2年間」(2026年8月5日・閣議決定の内容)
- 日本経済新聞「食品消費税27年4月から1%、政府が午後決定へ 自民党が了承」(対象範囲・給付・財源・法案スケジュール)
- 国税庁「消費税の軽減税率制度」(軽減税率の対象品目・外食と酒類の扱い)
- 総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均」(食料費・外食・酒類の月平均額。数字は家計収支の概況PDFの二人以上の世帯の表から)
- 野村総合研究所 木内登英「食料品の消費税率引き下げが閣議決定」(2026年8月6日・専門家の指摘)
※この記事は2026年8月時点の情報です。法案はまだ成立しておらず、内容が変わる可能性があります。最新の状況は政府・国税庁の公式発表をご確認ください。