iDeCoは本当に改悪された?|2026〜27年の変更点を公式資料で確かめてみた
こんにちは、ロッキーです。手取り12万円(基本給14万円)からスタートして、コツコツ貯金500万円を作った元公務員です。
先日、SNSでこんな投稿を見かけました。
「iDeCoの手数料、2028年から値上げされるらしい」
かなりの数が拡散していて、コメント欄も「また改悪か」という空気になっていました。
でも、気になって国民年金基金連合会の資料を読みにいったところ、書いてあったのは「2027年1月」でした。1年ずれています。
しかも、この手数料の話とほぼ同じタイミングで、iDeCoが大きく拡充される改正も控えています。値上げのニュースだけが独り歩きして、そちらはあまり話題になっていません。
そこでこの記事では、2026年12月から2027年にかけてiDeCoで変わることを、全部まとめました。マイナスの話(手数料)もプラスの話(制度拡大)も、両方フェアに並べます。
数字はすべて、国民年金基金連合会・厚生労働省・国税庁の資料で確認したものだけを載せています。出典URLは記事の最後にまとめました。
私の資産形成の中心はNISAにしていて、iDeCoはまだ使っていません。だからこそ「始めるなら今なのか」という目線で、条件を一つずつ確認しました。
それともうひとつ。iDeCoについては「最近、改悪と呼ばれる変更がいくつかあった」という印象を、私自身がなんとなく持っていました。その印象が正しいのかどうかも、この記事で一度きちんと確かめていきましょう。
結論|この表を見れば分かる!iDeCoでどんなことが変わる?
先に全体像です。迷ったら、この表に戻ってきてください。
| いつ | 何が変わるか | 方向 | 関係する人 |
|---|---|---|---|
| 2026年12月1日 | 加入できる年齢が 70歳未満 まで広がる | プラス | 60代でも働き続ける人・これから始める人 |
| 2026年12月1日 | 掛金の上限を引き上げ(自営業 月7.5万円/会社員・公務員の枠 月6.2万円) | プラス | 自営業・フリーランス・会社員・公務員 |
| 2027年1月の掛金から | 引き上がった上限が、実際の掛金に反映される | プラス | 上限いっぱいまで出したい人 |
| 2027年1月26日の引落し分から | 国民年金基金連合会に払う手数料が 105円/回 → 120円/月 | マイナス | iDeCoに掛金を出している人全員 |
| (変更なし) | 加入時2,829円・給付時440円などは据え置き | ー | ー |

ポイントを3行にすると、こうなります。
- ① 値上げは 2028年ではなく2027年1月から。金額は月15円ぶんの差
- ② ただし 年1回まとめて払っている人だけは、計算方法が変わって影響が大きい
- ③ 同時期に、入れる年齢と出せる金額が広がる。全体では拡充の方向
では、ひとつずつ見ていきます。
手数料|1回105円→月120円は「2027年1月26日の引落し分」から
発行元の資料には、こう書いてあります
国民年金基金連合会が出しているリーフレットに、はっきり書かれています。
- 加入中の手数料:105円 → 120円(税込み)
- 適用:令和9(2027)年1月26日の口座引落し分の掛金から(事業主払込の場合も同じ)
- 理由:物価・人件費の上昇に伴う見直し
- 加入者側の手続きは不要
つまり「2028年から」ではありません。2027年1月26日の引落し分からです。
ここは間違えると、心の準備のタイミングが1年ずれます。SNSで数字を見かけたら、面倒でも発行元の資料を1回だけ見にいく。それだけで防げます。
💡 ちなみに、この引落しは「2026年12月分の掛金」にあたります。制度としては2026年12月分から、お財布から出ていくのは2027年1月から、という関係です。
変わるのは「国民年金基金連合会に払う分」だけ
iDeCoの手数料は、実は何種類かに分かれています。今回変わるのはそのうちの1つだけです。
| 何の手数料か | 誰に払うか | 現行 | 2027年1月から |
|---|---|---|---|
| 加入中の手数料 | 国民年金基金連合会 | 105円(掛金拠出時・1回につき) | 120円(月額) ← ここだけ変わる |
| 資産管理の手数料 | 事務委託先金融機関(信託銀行) | 66円(月額) | 66円(変更なし) |
| 新規加入時等手数料 | 国民年金基金連合会 | 2,829円(初回1回) | 2,829円(変更なし) |
| 給付事務手数料 | 事務委託先金融機関 | 440円(受け取りの都度) | 440円(変更なし) |
| 運営管理機関手数料 | 金融機関(証券会社・銀行など) | 0円〜(機関ごとに違う) | 機関ごと |

毎月コツコツ出している人の場合、共通してかかる部分は次のように変わります(66円の部分は変わりません。変わるのは前半だけです)。
- 現行:105円+66円=年2,052円(月171円)
- 改定後:120円+66円=年2,232円(月186円)
- 差額:年180円(月15円)
正直に言うと、毎月拠出している人にとっては「缶コーヒー1本ぶん」の話です。ここだけを取り出して「改悪だ」と怒るほどの金額ではない、というのが私の受け止めです。
問題は、次の人たちです。
年1回まとめて払っている人は、計算方法が変わります
iDeCoには「年単位拠出(月別掛金)」という仕組みがあって、毎月ではなく年に数回まとめて掛金を出すことができます。
これまでは 拠出した回数ぶんだけ105円 がかかる形でした。だから「年1回まとめて出せば手数料は105円で済む」という節約テクニックが成立していたんです。
ところが今回の改定で、こうなります。
年単位拠出(月別掛金)を選択している加入者は、加入中の手数料(120円/月)に拠出期間の月数を乗じた額が適用される
つまり、回数ではなく月数でカウントされるようになります。
| 掛金の出しかた | 現行(国民年金基金連合会に払う分・年間) | 2027年1月から | 差 |
|---|---|---|---|
| 毎月出す(年12回) | 105円 × 12回 = 1,260円 | 120円 × 12ヶ月 = 1,440円 | +180円 |
| 年2回にまとめる | 105円 × 2回 = 210円 | 120円 × 12ヶ月 = 1,440円 | +1,230円 |
| 年1回にまとめる | 105円 × 1回 = 105円 | 120円 × 12ヶ月 = 1,440円 | +1,335円 |
※この表は「国民年金基金連合会に払う分」だけを比べています。事務委託先金融機関の66円(月額)は別途かかり、こちらは変更ありません。

年1回まとめ払いにしていた人は、年105円が年1,440円に。金額としては小さくても、倍率でいえば13倍以上です。「月15円の値上げ」というニュースの見出しだけを見ていると、この変化には気づけません。
もし年単位拠出を使っているなら、「まとめ払いで手数料を節約する」という前提そのものがなくなることを、頭に入れておいてください。手数料はどの出し方でも同じ額になるので、まとめ払いを続けても損をするわけではありません。ただ、手数料のためにまとめ払いを選んでいたのなら、2027年からは資金繰りなど自分の都合だけで出し方を選び直してよくなる、ということです。
(なお、まとめ払いをやめて毎月拠出に戻したとしても、手数料は月120円×12ヶ月で同じです。どちらを選んでも国民年金基金連合会に払う額は変わらなくなる、という改定だと理解しています。)
制度|2026年12月1日から、加入できる年齢と掛金の上限が広がります
ここからはプラスの話です。値上げのニュースに隠れてしまっていますが、こちらのほうが影響としては大きいと思います。
加入できる年齢が「70歳未満」まで
これまでiDeCoに加入できるのは、原則として65歳未満(国民年金の被保険者であること)でした。
2026年12月1日からは、70歳未満まで広がります。
ただし、誰でも70歳まで入れるわけではありません。厚生労働省の資料では、次の条件が示されています。
- 老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を、まだ受け取っていない人
- マッチング拠出(企業型DCで自分も上乗せする仕組み)を実施していない人
あわせて、第5号加入者という区分が新しく作られます。60歳以上70歳未満で、国民年金の被保険者ではないけれど、iDeCoを使って老後の資産形成を続けたい人が対象です。
「60代前半で会社を離れたけれど、まだ働くし、非課税で積み立てられる枠は使いたい」という人にとっては、選択肢が増える改正です。
掛金の上限が上がります
もうひとつが、掛金の上限(拠出限度額)の引き上げです。
| 区分 | 現行(月額) | 2026年12月から(月額) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 第1号(自営業・フリーランス・学生など) | 6.8万円 | 7.5万円 | +0.7万円 |
| 第2号・企業年金なしの会社員 | 2.3万円 | 6.2万円 | +3.9万円 |
| 第2号・企業年金ありの会社員/公務員 | 2.0万円 | 6.2万円の枠内(会社側の掛金相当額を差し引いた額) | 最大+4.2万円(会社の掛金しだい) |
| 第3号(扶養されている配偶者) | 2.3万円 | 2.3万円(変更なし) | ±0 |
| 第4号(国民年金の任意加入被保険者) | 6.8万円 | 7.5万円 | +0.7万円 |
| 第5号(新設・60歳以上70歳未満) | ー | 6.2万円 | ー(新設) |
| (参考)企業型DC | 5.5万円 | 6.2万円 | +0.7万円 |
大きいのは企業年金がない会社員です。月2.3万円が月6.2万円へ。2.7倍近くになります。
公務員や企業年金がある会社員の場合は、「6.2万円」がそのまま使えるわけではなく、会社や共済が出している掛金相当額を差し引いた残りがiDeCoに出せる額になります。ここは勤め先の制度によって人それぞれなので、正確な数字は勤務先か運営管理機関に確認してください。
そして第3号被保険者(扶養されている配偶者)は据え置きです。ここを「みんな上がる」と誤解しないようご注意ください。
新しい上限が掛金に反映されるのは「2027年1月分から」
施行日は2026年12月1日ですが、実際に増やした掛金を拠出できる(出せる)ようになるのは2027年1月の掛金からという案内が各金融機関から出ています。
つまり、こういう順番です。
- ① 2026年12月1日 … 法律としてのルールが変わる
- ② 2027年1月の掛金 … 新しい上限が実際に使えるようになる/同時に新しい手数料も始まる
上限まで出したい人は、掛金額の変更手続きの締め切りが金融機関ごとに違うので、秋のうちに一度確認しておくと慌てずに済みます。
試算|手数料が増えても、節税のほうが大きいのか
ここが一番知りたいところだと思います。誠実に計算してみます。
まず、節税の仕組み
iDeCoの掛金は、全額が「小規模企業共済等掛金控除」の対象になります。国税庁のページにも「控除できる金額は、その年に支払った掛金の全額です」と明記されています。
ざっくりした計算式はこうです。
1年間に軽くなる税金 ≒ 年間の掛金 ×(所得税率 + 住民税率10%)
課税所得が195万円以下の人なら、所得税5%+住民税10%=15%。手取り12万円クラスの収入なら、まずこの区分に入ってきます。
まず「最低額の月5,000円」で手数料負けするかを、税率別に見ます
いちばん気になるのは、たぶんここだと思います。いちばん少ない金額で始めたら、手数料に食われて意味がないのではないか、という不安です。
iDeCoの最低掛金は月5,000円(年60,000円)。運営管理機関手数料が0円の金融機関(ネット証券など)を使った場合で計算します。
| 課税所得の目安 | 所得税+住民税 | 年間の掛金 | 税の軽減額(目安) | 年間手数料 | 差引 |
|---|---|---|---|---|---|
| 課税所得なし(税金を納めていない) | 0% | 60,000円 | 0円 | 2,232円 | −2,232円 ← 手数料負け |
| 195万円以下 | 15% | 60,000円 | 9,000円 | 2,232円 | +6,768円 |
| 195万円超330万円以下 | 20% | 60,000円 | 12,000円 | 2,232円 | +9,768円 |
| 330万円超695万円以下 | 30% | 60,000円 | 18,000円 | 2,232円 | +15,768円 |
| 695万円超900万円以下 | 33% | 60,000円 | 19,800円 | 2,232円 | +17,568円 |
※年間手数料=(120円+66円)×12ヶ月=2,232円。復興特別所得税は計算に含めていません(含めると軽減額はわずかに増えます)。初年度のみ、加入時手数料2,829円が別途かかります(税率15%・運営管理機関手数料0円なら、初年度でも差引+3,939円でプラスは保てます)。
税金を納めている人であれば、最低額の月5,000円でも、手数料より所得控除の効果のほうが大きい計算になります。 そして当然ですが、税率が高い人ほど差は開きます。
掛金を増やした場合(税率15%のケース)
| 毎月の掛金 | 年間の掛金 | 税の軽減額(15%) | 年間手数料 | 差引 |
|---|---|---|---|---|
| 5,000円(最低額) | 60,000円 | 9,000円 | 2,232円 | +6,768円 |
| 12,000円 | 144,000円 | 21,600円 | 2,232円 | +19,368円 |
| 23,000円 | 276,000円 | 41,400円 | 2,232円 | +39,168円 |
手数料は掛金の額にかかわらず定額なので、掛金が増えるほど手数料の重みは軽くなります。
手数料負けする条件も、正直に書きます
「月5,000円でも大丈夫」と言い切って終わると、不誠実な記事になります。手数料負けするパターンは、はっきり2つあります。
パターン1:所得控除の恩恵がゼロの人
上の表の1行目です。所得税・住民税を納めていない人(収入が扶養の範囲内の人、その年に所得がなかった人など)は、掛金を出しても軽くなる税金がありません。
軽減額0円に対して手数料が年2,232円。そのまま年2,232円のマイナスです。20年続ければ4万円を超えます。
パターン2:運営管理機関手数料が高い金融機関を選んだ人
運営管理機関手数料は金融機関ごとに違い、月0円のところもあれば、月400円台のところもあります。仮に月400円の金融機関を選んだ場合、年間手数料は(120円+66円+400円)×12ヶ月=7,032円になります。
同じ月5,000円の掛金で計算し直すと、こうなります。
| 所得税+住民税 | 年間の軽減額 | 年間手数料 | 差引(2年目以降) | 初年度(加入時2,829円込み) |
|---|---|---|---|---|
| 0% | 0円 | 7,032円 | −7,032円 | −9,861円 |
| 15% | 9,000円 | 7,032円 | +1,968円 | −861円 ← 初年度はマイナス |
| 20% | 12,000円 | 7,032円 | +4,968円 | +2,139円 |
| 30% | 18,000円 | 7,032円 | +10,968円 | +8,139円 |
税率15%の人が月400円の金融機関で最低額を積み立てると、2年目以降は年2,000円ほどのプラスにとどまり、初年度は加入時手数料の分でマイナスになります。
手数料負けしないラインを逆算しました
年間手数料を税の軽減額でちょうど上回るのに必要な掛金は、こうなります。
| 条件 | 年間手数料 | 手数料負けしない年間掛金 | 月あたり |
|---|---|---|---|
| 税率15%・運営管理機関 0円 | 2,232円 | 14,880円以上 | 月1,240円 |
| 税率15%・運営管理機関 月400円 | 7,032円 | 46,880円以上 | 月3,907円 |
| 税率 0% | いくらでも | — | どれだけ増やしても負け |
iDeCoの最低掛金は月5,000円です。つまり、
- 税金を納めていて、運営管理機関手数料0円の金融機関を選ぶなら、そもそも手数料負けの水準まで下げられません
- 運営管理機関手数料が月400円台だと、月5,000円はぎりぎりのラインになります
- 所得控除の恩恵がゼロなら、掛金をいくら増やしても手数料負けは解消しません
こうして並べてみると、手数料負けするかどうかを決めているのは、国民年金基金連合会の15円ではありません。「税金を納めているか」と「どの金融機関を選ぶか」の2つです。今回の値上げをきっかけに見るべきなのは、正直こちらだと思います。

そして、次の2つはまた別問題です
ここを飛ばすと不誠実な記事になるので、はっきり書きます。
① 運用の結果は、この計算に入っていません
ここまでの計算は税金と手数料だけの比較で、運用でお金が増えるか減るかは含まれていません。投資信託を選べば当然マイナスになる年もあります。節税で得をしても、運用でそれ以上に減る可能性はゼロではありません。
なお、iDeCoには定期預金などの元本確保型という選択肢もありますが、いまの金利では利息がほとんど付かず、口座の手数料(年2,232円〜)を運用で取り返せません。所得控除のぶんでトータルはプラスにできても、手数料のぶんだけ毎年じわじわ目減りしていく構図です。正直に言うと、私がもし始めるなら、元本確保型は選びません。
② 受け取るときに税金がかかる可能性があります
iDeCoの所得控除は「税金が消える」のではなく、「払うタイミングが後ろにずれる」性質を持っています。ここがNISAとの大きな違いです(NISAは運用益が非課税で、受け取るときの税金もありません)。iDeCoは受け取るときに退職所得や雑所得として課税対象になり、退職所得控除や公的年金等控除の枠に収まりきらなければ、そこで税金が発生します。
逆に言えば、控除の枠に収まれば税金ゼロで受け取れます。分かれ目になるのは、①ほかに退職金があるか ②残高がどこまで育つか ③何歳で・どう受け取るか(受け取り開始は60〜75歳の間で選べます)の3つです。
しかも、この出口のルールは2026年1月から厳しくなりました(次の章で詳しく書きます)。とくにまとまった退職金を受け取る予定の方は、「出口で税金がかかる前提」で設計しておくほうが安全です。入口の節税額だけを見て「得だ」と判断するのは、半分しか見ていないことになります。
なお、第3号被保険者(扶養されている配偶者)の限度額が今回据え置かれたのも、さきほどの「所得控除の恩恵がゼロだと手数料負けする」という事情と無関係ではないと思っています。「みんなiDeCoをやるべき」と言い切れないのは、まさにここです。
「改悪」と呼ばれた変更を、事実と憶測に分けて並べてみました
iDeCoの話題を追いかけていると、「また改悪だ」という言葉を本当によく見かけます。正直に言うと、私自身も「iDeCoは最近わるい方向に動いているらしい」という漠然とした印象を持っていました。
でも、印象のまま判断するのは危ないと思ったので、ひとつずつ発行元の資料にあたりました。
結果として見えたのは、「すでに確定した事実」「まだ起きていないこと」「ただの憶測」が、同じ『改悪』という言葉でひとまとめにされているということです。分けて並べます。
| 「改悪」と呼ばれている内容 | 実際は | 影響を受ける人 |
|---|---|---|
| ① 手数料の値上げ | 確定した事実 | 掛金を出している人全員(年単位拠出の人は特に) |
| ② 退職所得控除の調整が「10年」に | 確定した事実 | 退職金とiDeCoを10年以内に両方受け取る人 |
| ③ 企業年金がある人の掛金上限が差し引き計算に | 確定した事実(2024年12月〜) | 企業年金・共済に入っている会社員・公務員 |
| ④ 特別法人税の復活 | 凍結中。復活していません | (現時点では誰も影響を受けていません) |
| ⑤ 「この先もっと改悪される」 | 憶測(裏づけ資料なし) | ー |
ひとつずつ、根拠と私の受け止めを書きます。
① 手数料の値上げ →【確定した事実】
この記事の前半で書いたとおりです。105円/回が120円/月になり、2027年1月26日の引落し分から適用されます。
毎月拠出している人なら年180円の増加。年単位拠出していた人は計算方法そのものが変わります。年1回払いなら年1,335円の増加です。
私の受け止め:毎月拠出している人にとっては、金額としては小さい話です。ただし年単位拠出の人にとっては「手数料を抑えるためにまとめ払いにしていた」という前提が崩れる変更なので、「改悪」と呼ぶのは妥当だと思います。
② 退職金とiDeCoの調整が「10年」に →【確定した事実】
いわゆる「5年ルールが10年ルールになった」という話です。ここは国税庁のページで確認できました。
退職所得控除を計算するとき、iDeCoの一時金と会社の退職金で勤続期間が重なる部分は差し引かれます。その「さかのぼる期間」が変わりました。
| 区分 | 調整の対象になる期間 | ざっくり言うと | 対象 |
|---|---|---|---|
| 改正前 | 前年以前 4年内 にiDeCoの一時金を受け取っていた場合 | 実質5年空ければよかった | 2025年12月31日までに支払を受けたもの |
| 改正後 | 前年以前 9年内 にiDeCoの一時金を受け取っていた場合 | 実質10年空ける必要(=「10年ルール」の由来) | 2026年1月1日以後に支払を受けたもの |
※「前年以前9年内」は法令上の言い回しで、受け取った年の前年から9年さかのぼるという意味です。受け取った年自体も含めて数えると10年——「10年ルール」と呼ばれるのはこのためです。
国税庁のタックスアンサーには「前年以前9年内に確定拠出年金法に基づく老齢給付金として支給される一時金(令和8年1月1日以後に支払を受けたものに限り〜)」と書かれています。
わかりやすく言うと、「iDeCoを60歳で受け取って、65歳で会社の退職金を受け取る」という5年ずらしの受け取り方が使えなくなったということです。控除をどちらも満額使うには、10年空ける必要が出てきました。
(逆順のケース=会社の退職金を先に受け取り、あとからiDeCoの一時金を受け取る場合には、もっと長い「前年以前19年内」=実質20年の調整が以前からあり、これは今回変わっていません。「9年」と「19年」でいきなり差があるように見えますが、別のケースに昔からあった別のルールです。あとから受け取るiDeCoのほうが厳しいのは、iDeCoの一時金は受け取る時期を60〜75歳の間で自分で選べるぶん、時期をずらして控除を二重に使う余地が大きいため、とされています。)
私の受け止め:これは、まぎれもなく負担が増える方向の変更です。「改悪」と呼ばれるのは理解できます。ただし影響を受けるのは、まとまった退職金があって、その受け取り時期がiDeCoと10年以内に近づく人です。退職金がない人や、時期を十分に空けられる人には関係ありません。「全員が損する改正」ではない、というのは押さえておきたいところです。
③ 企業年金がある人の掛金上限が「差し引き計算」に →【確定した事実】
これは2026年の話ではなく、2024年12月からすでに始まっている変更です。記事になっている数は少ないのですが、実際に困った人がいるという意味では、いちばん重いかもしれません。
企業年金(DB)や共済に入っている人のiDeCoの上限は、2024年12月から次の式で決まるようになりました。
月額55,000円 −(各月の企業型DCの事業主掛金額 + DB等の他制度掛金相当額)※上限20,000円
式だけ見ると身構えますが、言っていることはシンプルです。月5.5万円の枠を、会社とあなたで分け合うイメージです。会社が出しているぶんを枠から引いた残りが、あなたがiDeCoに出せる上限。ただし残りがどれだけ多くても、月2万円までという天井があります。
数字を入れると、こうなります。
- 会社のぶんが月3.5万円まで → 残りが2万円以上あるので、iDeCoは天井の月2万円
- 会社のぶんが月3.5万円を超える → 残りがそのままiDeCoの上限に。たとえば月4万円ならiDeCoは月1.5万円(国民年金基金連合会の資料に載っている具体例です)
- 会社のぶんが月5万円を超える → 残りがiDeCoの最低掛金5,000円を下回り、拠出できません

ここで大事なのは、会社が出している掛金の額は、自分では決められないことです(会社の制度=規約で決まっています)。自分の場合がいくらなのか分からないときは、勤務先の人事・総務に聞くか、企業型DCの運営管理機関のWebサイト・年1回届く通知で確認できます。公務員の共済は、他制度掛金相当額が月8,000円と公示されています。
ニュースでは「公務員などの上限が月1.2万円から最大2万円に引き上げ」と説明された改正です。ところが厚生労働省のページには、こう書かれています。
企業型DCの事業主掛金額とDB等の他制度掛金相当額によっては、この見直しによりiDeCoの掛金の上限が小さくなったり、iDeCoの掛金の最低額(5千円)を下回り、掛金を拠出できなくなったりすることがあります
引き上げのはずが、人によっては上限が下がる。場合によってはiDeCoに出せなくなる。上の3つ目のケースが、まさにこれです。
あわせて、DB等に加入している人は掛金を毎月定額で納付することが必要になり、年単位拠出を使っていた人は変更手続きをしないと2025年1月引落し以降は拠出が止まる、という案内も出ていました(変更は、iDeCoの口座がある金融機関=運営管理機関に掛金額変更の届出書を出す、書面での手続きです)。
私の受け止め:これは「改悪」というより、制度が精密になったぶん、自分の枠を自分で確認しないといけなくなったという変化だと思っています。ただ、手続きをしないと知らないうちに拠出が止まる設計は、やさしくはありません。
なお、2026年12月からは、この式が「月額62,000円 −(会社のぶんの合計)」に変わります。枠そのものが5.5万円→6.2万円に広がるうえ、いまある「多くても月2万円まで」という天井もなくなります。差し引き計算そのものは残りますが、厚生労働省の資料も「iDeCo・企業年金等合計で月額6.2万円」という書き方をしていて、企業年金がある人ほど上乗せの余地が増える改正です。
④ 特別法人税の復活 →【現在は凍結中。復活していません】
「iDeCoの残高に毎年1%の税金がかかる」という話を、見かけたことがあるかもしれません。これが特別法人税(退職年金等積立金に対する法人税)です。
事実関係を整理します。
- 制度としては存在しています(国税庁の説明では、税率は原則として毎年1%)
- ただし1999年4月からずっと課税は停止されています
- 国税庁のページ(令和7年4月1日現在の法令等)では、停止措置は令和8年3月31日までに開始する事業年度が対象と書かれていました
- そして令和8年度税制改正で、この停止措置の適用期限がさらに3年延長されました。財務省の大綱に「退職年金等積立金に対する法人税の課税の停止措置の適用期限を3年延長する」と明記されています
つまり、「復活した」という事実はありません。25年以上にわたって延長が繰り返されてきた、というのが実際に起きていることです。
私の受け止め:「いつか復活するかもしれない」という不安は、気持ちとしてはわかります。ただ、これを理由にiDeCoをやらないと決めるのは、まだ起きていないことを根拠に、今ある確実な所得控除を手放すということです。私はそこまで悲観していません。
一方で「絶対に復活しない」と言い切ることもできません。凍結は数年ごとに更新されている、期限つきの状態である。この事実のほうは、頭の片隅に置いておくのがフェアだと思います。
⑤ 「この先もっと改悪される」「非課税枠が狙われている」 →【憶測】
SNSでよく見かける言い方ですが、2026年8月時点で、これを裏づける公的な資料は見つけられませんでした。
「見つからなかった」ことは「存在しない」ことの証明にはなりません。ただ、少なくとも決まった話として語られるべきではないと思います。この記事では、憶測は憶測のまま置いておきます。
並べてみて、私が思ったこと
こうして分けてみると、「iDeCoは全体として改悪されている」という印象は、少し盛られていたというのが率直な感想でした。
確定している負担増は①②③の3つ。そのうち②③は「全員が対象」ではなく、条件が当てはまる人の話です。そして同じ時期に、加入年齢の拡大と上限の引き上げという、明らかにプラスの改正も走っています。
一方で、「だから何も心配いらない」とも思いませんでした。②の10年ルールのように、入口ではなく出口が静かに変わるタイプの変更は、始めるときに気づきにくいからです。
そしてもうひとつ、書いておきたいことがあります。iDeCoが始まってから、あとから追加されたルールの中に、良い方向だけでなく「改悪」と言わざるを得ないものが実際に出てきている——この事実そのものは、冷静に受け止める必要があると考えています。
iDeCoは原則60歳まで引き出せません。つまり、途中でルールが変わっても、「やめて引き出す」という選択肢がないまま付き合い続けることになります。すでに運用している人にとって、後出しでルールが変わるのは、正直フェアとは言いがたいと感じます。だからこそ、この制度は「今のルールが続く前提」ではなく、「ルールは変わりうる」という前提ごと引き受けて判断するものだと思っています。
それでも「やらなくていい人」がいます
iDeCoは強力な制度ですが、全員におすすめできる商品ではありません。当てはまる人は、無理に急がなくていいと思います。
1. 生活防衛資金がまだ貯まっていない人
iDeCoの最大の制約は、原則60歳になるまで引き出せないことです。国民年金基金連合会の公式サイトにも「原則として、60歳になるまでは受給できません」と明記されています(障害状態になった場合や亡くなった場合などの例外はあります)。
一度入れたお金は、失業しても、家電が壊れても、引っ張り出せません。手元に生活費数ヶ月ぶんの現金がない状態でiDeCoを始めるのは、順番が逆だと私は思っています。
節税額を追いかける前に、まず現金と固定費を整える。ここが土台です。
📎 あわせて読みたい 固定費をどの順番で見直すと一番効率がいいのかは、固定費削減の手順をまとめた記事で詳しくお話ししています。iDeCoの節税額を計算する前に、こちらの月数千円のほうが先に効くケースは多いです。
2. 数年以内に大きな出費が決まっている人
住宅の頭金、結婚、車の買い替え、学費。時期が決まっているお金は、60歳まで動かせない口座に入れてはいけません。この場合はNISAのほうが柔軟です。私自身、資産形成の中心はNISAに置いています。
3. 所得税・住民税を納めていない人
先ほど書いたとおりです。iDeCoの一番大きなメリットが効きません。「非課税で運用できる」というメリットは残りますが、それだけならNISAでも同じことができて、しかもいつでも引き出せます。
4. 60歳が近く、加入期間が短くなる人
iDeCoは、通算加入者等期間に応じて受け取れる年齢が決まります。加入が遅いと、60歳ちょうどでは受け取れないことがあります(60歳以上で初めて加入した場合は、加入から5年を経過した日から受給できるという扱いがあります)。
今回の改正で70歳未満まで加入できるようになる一方、「入れる期間」と「出せる時期」はセットで確認が必要です。
5. まとまった退職金があり、出口を考えずに始める人
ひとつ前の章の②で書いた「10年ルール」の話です。
将来まとまった退職金を受け取る予定がある人は、入口(掛金の所得控除)だけでなく、出口(受け取り方)まで含めて考える必要があります。iDeCoと退職金の受け取りが10年以内に近づくと、退職所得控除が調整されて税金が増えることがあるからです。
受け取り方には一時金・年金・その併用の3通りがあり、どれを選ぶかで使える控除も税金も大きく変わります。気をつけることが山ほどある領域で、個々の勤続年数や退職金額で結論も変わるので、出口戦略はいずれ別の記事でじっくり整理するつもりです。この記事では「そういう論点がある」とお伝えするに留めます。金額が大きくなりそうな人は、受け取りが近づいたら税理士や金融機関に相談することをおすすめします。
「節税になるらしい」という入口の話だけで始めて、20年後に出口で驚く。これがいちばん避けたいパターンだと思っています。
私の場合|「私は」NISAを優先しています
ここまで調べたうえで、私自身がどうしているかを書きます。
私はまだiDeCoを使っていません。資産形成の中心はNISAに置いています。
ただ、これは「iDeCoが良くない制度だから」ではありません。理由ははっきりしていて、iDeCoならではの縛りが、今の私の状況に合っていないというだけです。
- 原則60歳まで引き出せない。これがいちばん大きいです。個人事業主になって、収入が月ごとにぶれるようになりました。動かせないお金を増やすより、まず動かせる現金を厚くしておきたい
- 出口の設計まで必要になる。②で書いた10年ルールを踏まえると、受け取り方まで見通してから始めたい。私はまだそこまで固まっていません
だからこれは、「iDeCoはおすすめしません」ではなく「私の順番では、今ではない」という判断です。ここを混ぜて書くと、読んでくださった方の判断まで歪めてしまうので、はっきり分けておきます。
正直に言うと、上限が月7.5万円まで広がるのは、かなり魅力的だと思っています。それでも今は、順番を守ることにしました。
むしろ、こういう方には全然ありだと思います
とくに、NISAをすでに満額まで使っている方。ここは検討する価値が大きいと思っています。
NISAの非課税枠を埋めきったうえで、まだ積み立てる余力があるなら、iDeCoの所得控除は「掛金を出したその年に、確実に税金が軽くなる」という、NISAにはないメリットです。運用がプラスでもマイナスでも効きます。しかも税率が高い方ほど、効き方は大きくなります。
ほかにも、次のような方には前向きに検討していい制度だと思います。
- 所得税・住民税をしっかり納めていて、税率が高い方
- 60歳まで使う予定のないお金を、あえて動かせない場所に置いておきたい方(引き出せないことを、弱点ではなく強制力として使える方)
- 会社に企業年金がなく、2026年12月から枠が月6.2万円に広がる会社員の方
- 生活防衛資金がすでにあり、NISAと並行して積み立てる余裕がある方
すでに始めている方へ
今回の値上げは、やめる理由にはならないと考えています。ここまで見てきたとおり、所得税・住民税を納めている方なら、最低額の月5,000円でも手数料負けはしません。月15円の増額を理由に手を止めるより、5,000円(以上)をそのまま淡々と続けることをおすすめします。
ひとつだけ補足すると、掛金の拠出を止めて「運用指図者」になっても、口座がある限り事務委託先金融機関の手数料(月66円)はかかり続けます。月66円は小さく見えますが、仮に30年口座を持ち続ければ約23,760円(66円×12ヶ月×30年)。何もしなくても、かかり続けるお金です。拠出を止めると、所得控除だけが消えて手数料は残る形になるので、税金を納めている方にとっては、続けるほうが理にかなっています(※所得がなくなって控除の恩恵を受けられなくなった場合は話が別です。そのときは一度立ち止まって見直してください)。
私が使っていないのは、あくまで私の事情です。あなたの事情とは違います。「ロッキーが使っていないから、やめておこう」という決め方だけは、しないでいただきたいと思っています。
そして、体験していないことを体験談として書くつもりはないので、この記事は「調べて整理した記事」として読んでいただけたら嬉しいです。実際に始めることになったら、そのときは体験としてまた書きます。
まとめ|日付と、事実か憶測かだけ押さえておけば大丈夫です
長くなったので、最後にもう一度だけ整理します。
- 手数料の値上げは 2028年ではなく、2027年1月26日の引落し分から
- 金額は 105円/回 → 120円/月。毎月拠出なら年180円の増加
- 年単位拠出(まとめ払い)の人は計算方法が変わり、年1回払いなら年1,335円の増加
- 一方で 2026年12月1日から、加入は70歳未満まで・上限は自営業7.5万円/会社員の枠6.2万円へ拡大
- 新しい上限が掛金に反映されるのは 2027年1月分から
- 税金を納めていて運営管理機関手数料0円の金融機関なら、月5,000円でも手数料負けしません(年+6,768円)
- 逆に 所得控除の恩恵がゼロの人は、掛金をいくら増やしても手数料負けが解消しません
- 「改悪」と呼ばれる話は、確定した事実3つ・凍結中1つ・憶測1つに分かれます
- 確定しているのは ①手数料 ②退職所得控除の10年ルール ③企業年金がある人の差し引き計算。特別法人税は 凍結が3年延長され、復活していません
情報が動いたとき、いちばん怖いのは「値上げ」そのものではなく、間違った日付や、確かめていない噂で焦って判断してしまうことだと思っています。
月15円のために解約して、その後に控えていた上限拡大を取り逃がす。逆に「改悪だらけらしい」という空気だけで、自分に合っていた制度を最初から候補から外してしまう。どちらももったいない動き方です。
私自身は、iDeCoならではの縛りを考えて、「私は」NISAを優先しています。でもそれは私の順番の話であって、NISAを満額まで使っている方なら、iDeCoの検討は全然ありだと思っています。大事なのは、他人の結論をそのまま借りないことだと思います。
制度は今後も変わります。この記事も、新しい情報が出たら更新していきます。
よくある質問
Q1. iDeCoの手数料が上がるのは、結局いつからですか?
2027年1月26日の口座引落し分の掛金からです。制度上は2026年12月分の掛金にあたります。「2028年から」という情報がSNSで広がっていましたが、国民年金基金連合会の資料には2027年1月と書かれています。
Q2. 手数料が上がるとき、何か手続きは必要ですか?
必要ありません。国民年金基金連合会の資料にも「本変更にあたり、加入者の方に、お手続き等はございません」と明記されています。
Q3. 年1回まとめて掛金を出しています。どうすればいいですか?
2027年1月からは、拠出した回数ではなく拠出する月数で手数料が計算されます(120円×月数)。まとめ払いによる手数料の節約はできなくなりますが、続けても損をするわけではありません(毎月拠出と同じ額になります)。手数料以外の理由で、自分に合う出し方を選び直す機会にしてください。
Q4. 2026年12月から掛金の上限が上がると聞きました。すぐに増やせますか?
施行日は2026年12月1日ですが、実際に新しい上限で掛金を出せるようになるのは2027年1月の掛金からという案内が出ています。掛金変更の手続き期限は金融機関ごとに違うので、秋のうちに確認しておくと安心です。
Q5. 手数料が上がるなら、iDeCoをやめたほうがいいですか?
所得税・住民税を納めている人であれば、今回の値上げ(月15円)を理由にやめる判断にはなりにくいと考えています。ただし、所得がなくて節税効果が出ない人や、数年以内に使う予定のお金を入れようとしている人は、そもそもiDeCoの選択肢を外したほうがよい可能性があります。金額の大小より、「60歳まで引き出せない」という条件を受け入れられるかどうかで判断してください。
Q6. 「iDeCoは改悪された」とよく聞きますが、本当ですか?
一部は本当で、一部は憶測です。確定している負担増は、①手数料の値上げ(2027年1月から)②退職金とiDeCoを両方受け取るときの調整期間が「前年以前4年内」から「前年以前9年内」に拡大(2026年1月以後の支払分から)③企業年金がある人の掛金上限が差し引き計算になったこと(2024年12月から)の3つです。②③は条件が当てはまる人だけの話で、全員が対象ではありません。一方で、加入年齢の拡大と掛金上限の引き上げというプラスの改正も同時期に進んでいます。
Q7. 特別法人税が復活して、残高に毎年1%課税されるというのは本当ですか?
2026年8月時点で、復活していません。制度そのものは存在しますが、1999年4月から課税は停止されたままです。さらに令和8年度税制改正で、この停止措置の適用期限が3年延長されました(財務省の大綱に明記されています)。ただし「廃止」ではなく「期限つきの停止」が更新され続けている状態なので、絶対に復活しないとまでは言えません。
Q8. 最低額の月5,000円だと、手数料に食われて意味がないのでは?
所得税・住民税を納めていて、運営管理機関手数料が0円の金融機関を使うなら、月5,000円でも手数料負けはしません。税率15%の場合、年間の軽減額9,000円に対して手数料は年2,232円で、差引は年6,768円のプラスです。ただし、所得控除の恩恵がない人はそのままマイナスになり、運営管理機関手数料が月400円台の金融機関だと差はかなり縮まります(初年度は加入時手数料の分でマイナスになることもあります)。金額の大小より、この2つの条件のほうが結果を左右します。
この記事について
- 記載した金額・日付は、2026年8月4日時点で公開されている公的資料および各金融機関の公式告知にもとづいています。制度は今後変更される可能性があります。
- この記事は制度の内容を整理したものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。
- 税額の試算は、わかりやすさを優先した簡易的なものです。実際の税額は収入・控除の状況によって変わります。正確な金額は、お住まいの地域の税務署や税理士にご確認ください。