新車ローンで後悔したこと|購入前に知りたかったお金の話
最終更新: 2026年10月/最終確認: 2026年10月27日(この記事は私自身の体験談です。支払い方法の仕組みは公式資料で確認し、金利比較は条件をそろえた仮の計算例を載せています)
私は元公務員で、いまは個人事業主です。就職の数か月前、車が必要な暮らしの中で、何も調べずに新車をローンで買いました。必要な移動は消費でも、新車を選んだことは私には浪費だったと振り返っています。
手取り12万円から5年かけて返済し、同じ1台に10年以上。愛着もあり、いい経験・勉強代にはなりましたが、購入前に費用や選択肢を比べなかったことは、後悔しています。
資産を増やしたいなら、車も「月々払えるか」だけでなく、利息を含む総支払額、維持費、価値の下がり方まで見て選びたいところです。予算や暮らし、将来の計画と好みをどう両立するか。私の経験を、判断の材料にしてもらえればと思います。
なぜ、新車をローンで買ったの?
私の住む地域では、通勤にも休みの日の用事にも、車が欠かせません。当時は「社会人になったら車」という感覚で、就職の数か月前に買いました。それまでに貯めたお金を、お年玉や就職祝いの分も合わせて購入資金にあて、足りない分を5年のローンにしたんです。
新車にしたのは、周りに「新車が絶対いい」と言われたからです。中古はクセがある、などとも言われました。
車が必要なことと、どの車にいくら使うかは、分けて考えられるものです。用途に合う大きさや、新車・中古それぞれの状態と価格を確かめてからでも、選ぶのは遅くありません。
ローンを返していた5年間、どうやって暮らした?
ローンを返しながら、貯金ってできましたか?
正直、毎月の給料からは、ほとんどできませんでした。
社会人になってからずっと実家暮らしなので、住居費が軽く、そこは大いに助けられています。一人暮らしで家賃がかかる人とは、ここが大きく違うところです。それでも1年目は、貯金どころか毎月赤字でした。
返済中は外食や自分のための浪費をほとんど我慢し、楽しみに使ったのは、ごくたまの旅行とスポーツくらいでした。
返済できることと、無理なく暮らせることは同じではありません。買う前に、返済中も生活費や貯金、楽しみに使うお金を確保できるか、見ておきたいところです。
最後の1年だけは、ボーナスで貯金がたまってきたころに、少しだけ繰り上げて返しました。お金の面での効果は、私にはほとんどなかったように感じます。それでも、借金のことを頭に置かなくてよくなり、スッキリしましたし、ストレスも減りました。返し終えたのは6年目の途中です。
繰り上げ返済で得をしたのは、お金より気持ちのほうでした。
これは私自身の実感です。すでに返済中の人も、繰り上げるかどうかは、手元に残す生活費や備え、契約上の手数料・条件を見てからで遅くありません。
返し終えたら、何が変わった?
ローンが終わると、毎月の返済の分が手元に残るようになりました。お金が貯まるようになったきっかけは、少しずつ給料が増えたことと、ローンが終わったこと。私には、特に完済の影響が大きかったです。
返し終えてからは、たまに自分へのご褒美も出てきて、心に余裕ができたのを覚えています。それでも貯金のペースは上げていき、手取りの半分を貯金に回せるようになりました。
意識していたのは、返済していたころの額よりも使わないことです。そのあと、つみたてNISA(いまの新NISAの前の制度)を始め、貯金と投資の大切さにも気づきました。完済してからは、借金をしていません。
手取り12万円は社会人1年目の数字で、その後は少しずつ増えました。積み上がったのは、増えた分を生活に回さず、貯金と積立に乗せたからです。年ごとの流れは、「手取り12万円からの資産形成ロードマップ」の年表にまとめています。
返済が終わりそうな人は、その分のお金をどう使いたいか、先に考えておくのもひとつの手です。私はいま、自分のために使ってよい額を年間で決め、毎月はそれを12で割った額の中に収めています。貯めることと使うことのバランスは、「お金を「使わなすぎた」後悔とは?」にも書きました。
車の費用は、資産形成にどう関わる?
返済がなくなっても、車検、税金、保険、ガソリン代などは残ります。10年以上乗っている私も、正直、車の固定費はいまも高いと感じています。買う前に見たいのは、毎月の返済額だけでなく、持ち続ける間の負担です。
保険も、そのひとつ。私は車の任意保険を、削れない固定費として残しています。公務員を辞めたときには、それまで入っていた自動車の共済を抜ける必要があり、急いで今の保険に切り替えました。職場の共済や団体の保険を使っている人は、退職後の扱いを先に確かめておくと安心です。固定費を見直してきた順番は、「固定費の見直しは最初が肝心!|手取り12万円で貯金500万円を作った手順」にまとめています。
今の必要性・購入後の家計・将来の計画を確かめる
まず、今の暮らしに車が必要かを問い直し、買うかどうかを考えます。買うなら、返済に加えて駐車場・燃料・保険・税金・車検や整備まで含む予算が今の家計に収まり、将来の貯蓄や生活上の目標とも両立するかを確かめたいところです。
年に一度や数年ごとの支払いも月あたりに直し、車検の見積もりに入っている税金や自賠責は、二重に足さないようにします。現金で買う場合も、払ったあとに生活費と備えが残るかは別の確認です。
公共交通で暮らせる地域なら、持たない選択肢も
私の住む地域では車が欠かせませんが、交通網が発達し、車がなくても暮らせる環境での所有は、私の見解では浪費寄りです。ただ、都会でも通勤や家族の送迎などで必要な人はいます。地域名だけで決めず、自分の移動を公共交通や必要なときのレンタカーでまかなえるかを考えたいところです。
たとえば、東京で大人1人が暮らし、普段は東京メトロの1〜6km区間を月20往復、さらに月2回、それぞれ6時間・60kmの外出をする場合を置いてみます。車を持つ側も、普段は同じだけ電車を使う条件です。
仮の例:東京で暮らす大人1人の場合(私の支出でも、都内の平均でもありません)
| 月の費用 | 車を持ち、普段は電車 | 持たずに電車+カーシェア |
|---|---|---|
| 電車(178円×往復×20回) | 7,120円 | 7,120円 |
| 自宅用の駐車場 | 22,000円 | 0円 |
| 月2回の車での外出 | 燃料代などを別途加算 | 11,280円 |
| この表で計算した月額 | 29,120円+未算入費用 | 18,400円+共通の外出費等 |
この仮の例では、自宅の駐車場代だけで、カーシェア2回分を上回りました。ただし、車を持つ側は電車と駐車場だけの小計で、車両費や税金・保険・車検・整備・燃料・利息は含めていません。※所有にかかる総額を比べたものではない点に、注意が必要です。出典と計算は、記事の最後の「参考にした資料」のとおりです。
自宅の駐車場が無料だったり、家族で頻繁に使ったりすれば、判断は変わります。自分の経路の運賃や見積もりに置き換えて、比べてみてください。
私は残価設定型クレジットをおすすめしません
私は残価設定型クレジット、いわゆる残クレには反対の立場です。おすすめしません。 これは私の考えで、残クレを実際に利用した体験談ではありません。
以前の職場に、残クレで新車にしたことを喜びながら、月々の生活費は苦しいと話していた同僚がいました。苦しかった理由が残クレにあったのかは分かりませんが、残クレを含む、利息も合わせたローンの月々の支払いは大きそうだという印象を受けました。返済額や原因を断定するものではなく、あくまで私の印象です。
当時は助言を求められず、聴くだけでした。知識があれば選択肢も変わるかもしれない。その思いもブログを始めたきっかけです。資産形成の途中にいる私も、みなさんと一緒に学んでいきたいと思っています。
残クレは、新車の買い方の一つとして使われている方法です。自工会の2025年度調査では、2024・2025年に新車を購入した回答者923人の15%が「残価設定あるいは据置型ローン/クレジット」を利用していました。残クレ単独の割合ではなく、据置型を含む区分です。調査結果 p.31
月々を抑えられる仕組みと、最後に残る支払い
たとえばトヨタの残価設定型プランは、車両価格の一部を残価として最終回に据え置きます。最終回を除く月々の負担を抑えられ、条件を満たせば残価が保証される点は利点です。ただし、残価・期間・保証の有無や条件は、車種や販売店で異なります。トヨタの説明
確認したい点は、次の3つです。
- 据え置いた残価にも金利がかかること。月額だけでなく、実質年率と最後までの支払総額を見ます。残価への金利の説明
- 返却の条件。トヨタでは損傷・事故修復歴・違法改造・走行距離などが保証条件に関わり、条件外では別途精算が生じます。基準は商品・契約ごとの確認が必要です。
- 乗り続ける場合の支払い。最終回の残価を一括で払うか、条件付きで再クレジットを組みます。Hondaも、再クレジットには別途条件があり、その申込時点の金利が適用されると説明しています。Hondaの説明と注意事項
なお、残クレは車を購入するためのクレジットで、レンタルやリースそのものではありません。契約中の所有者名義や、完済後に名義を移す手続きも契約書で確かめたい項目です。
同じ車・同じ金利でも、月額と総額は違う
私は残クレではなく、通常の利息付きローンで新車を買いました。実際に払った利息の合計は計算できていませんが、借りた元本に加えて利息も支払っています。以下は私の実額ではなく、条件をそろえた試算です。
ここでは仮に、車両価格300万円、頭金なし、借りる場合の年率をどちらも4.9%、期間を5年とします。通常ローンは60回の均等払い、残価型は59回の均等払いと60回目の残価120万円の一括払いです。どちらも借入額は300万円で、ボーナス払いはありません。特定商品の見積もりでも、私の購入実績でもありません。
| 車両代と利息の比較 | 現金一括 | 通常ローン | 残価型・最後に一括で買い取り |
|---|---|---|---|
| 購入時の支払い | 300万円 | 0円 | 0円 |
| 1〜59回目の月額 | なし | 約5.65万円 | 約3.94万円 |
| 60回目の支払い | なし | 約5.65万円 | 120万円 |
| 利息の合計 | 0円 | 約38.9万円 | 約52.3万円 |
| 車両代と利息の支払総額 | 300万円 | 約338.9万円 | 約352.3万円 |
この仮定では、残価型の月額の支払いは小さくなりますが、買い取りまでの総額は通常ローンより約13.4万円多くなります。毎月の返済額だけを見ていると、この違いと最終回の120万円を見落としがちです。
※各月末に支払い、月利を年率÷12として計算した概数です。実際の端数処理や支払日で金額は変わります。税金・保険・維持費・登録などの諸費用、現金を手元に残せる価値、残価の再クレジットに伴う追加の手数料は、どれも計算の外です。
※この例で59回を払い、条件を満たして返却する場合の支払いは約232.3万円ですが、車は手元に残りません。買い取りの総額と並べて「返す方が安い」とは言えず、比べるなら、買った側は売却価値を差し引いて考えます。
私の印象ですが、購入代金に加えて支払う利息は、想像以上に家計に重くのしかかることがあります。借りる前に、利息を含む総額と維持費が、資産形成の計画にどう影響するかまで確かめておきたいところです。
新車と中古で迷ったら、どう選ぶ?
新車と中古、どちらを選べばよいですか?
新車か中古かだけでなく、用途や車の状態、総費用と売るときの見込みを比べ、予算と将来の計画に合う方を選びたいですね。資産形成と車の楽しみをどう両立するかも、人それぞれです。
中古はクセがある、と言われたこともありましたが、職場の公用車も新車ではなく、それで困ったことはありませんでした。ただ、その経験だけで、どの中古車でも大丈夫とは言えません。状態や保証、必要な整備も含めて確かめるのが先決です。
俗に「新古車」と呼ばれる登録(届出)済未使用車も、比較候補です。登録済みでも使用・運行されていない中古車で、新車より費用を抑えられる場合がありますが、新車の値引きなどによって、必ず安いとは限りません。実車の状態、登録時期、車検・保証の残り期間と継承条件を確かめ、必要な諸費用も含む支払総額で比べるのが確実です。
あのとき中古を選んでいれば、もう少し家計が楽だったのかな、と考える日もありました。それでも車は生活に欠かせず、返済中に手放そうとは思いませんでしたし、初めて購入した車として愛着もあります。乗り潰すつもりでいて、そのあとはもう買い替えないかもしれません。車のローンを組んだのは、あの1回きりです。
購入価格と、手放すときの金額を分けて見る
新車なら必ず売却時の値下がりが大きい、中古なら値下がりしない、とは決められません。トヨタの下取り参考価格の注意書きでも、走行距離・状態・事故歴・色・モデル変更・地域や市場によって価格が変わり、表示額を保証するものではないとされています。下取り参考価格の注意書き
購入を検討している候補同士を、同じ期間の「買うときの費用(利息は除く)+維持費+利息−売れると見込む額」で比べます。車両代を入れたらローンの元本は足さず、購入時に払った税金や保険料も維持費には重ねません。二重に数えないためです。売れる額は約束された収入ではないので、見込みより低くても家計が持つかまで見ておきます。
また、ローンの途中で手放すなら、売却額と残りの返済・精算額は別の数字です。売るといくらになるかだけでなく、返済を終えたあと手元にいくら残るか、あるいは追加でいくら必要かを確かめることになります。
浪費と割り切って好きな車を楽しむ人もいれば、中古の軽自動車などを必要な移動のための消費として選ぶ人もいるでしょう。大切なのは、自分の優先順位と費用を把握し、予算やライフスタイル、ライフプランに合う選択にすることだと思います。
まとめ|資産形成と暮らしに合う車を選ぶ
資産を増やしながら、どんな暮らしをしたいか。見積もりをもらったら、次の4つを並べて考えてみてください。
- 目的と優先順位:何のために車が必要か。利便性や好み、貯蓄や将来の計画のどれを大事にしたいか。
- 総費用:購入費・利息・維持費はいくらか。月々だけでなく最終回の支払いも含め、予算に収まるか。
- 価値と手放し方:値下がりや売却額をどう見込むか。残債や返却条件、追加精算も確かめたか。
- 暮らしとの相性:用途や使う頻度、今後の生活の変化に合うか。新車・中古・持たない選択肢を検討したか。
候補を同じ期間・使い方で比べ、自分の優先順位も書き添えておくと、安さだけでなく、好きな車への出費が将来の計画と両立するかまで確かめられます。
私もかつて外車を夢見ましたが、新社会人になってすぐに諦めました。車に限らず、本当に自分が欲しいものか、見栄のための購入ではないか。そう自問しながら、資産形成と暮らしに合う選択をしていきたいですね。
参考にした資料
- トヨタ:残価設定型プランなどのお支払い方法の説明(残価の据え置き・最終回を除く月々の負担・残価保証の条件と精算・満了時の選択肢・一般的なクレジットとの支払合計額の違い)
- 東京メトロ「普通券(きっぷ)」(1〜6km:ICカード178円)
- 東京都道路整備保全公社:定期駐車場の掲載例(普通車区画 月22,000円・確認時は満車。この条件で借りられることを示すものではありません)
- タイムズカー:利用料金/無料利用料金(よくある質問)/補償制度/入会と料金の案内
- 比較の計算:カーシェアはタイムズカーのベーシックで、1回あたり時間料金4,290円+距離料金800円((60−20)km×20円)+任意の安心補償サービス550円=5,640円、月2回で11,280円。月額基本料金880円は同額が利用料金に充当されるため、この利用量では重ねて足していません(安心補償は充当の対象外)。カーシェアの利用料には燃料代と基本の補償が含まれますが、補償の対象外や休業補償の条件があります。初期費用は含めず、ステーションの空きも確かめていません。外出先の駐車場代や高速道路代は、どちらの側にもかかりうるため、表の外に置いています
- 日本自動車工業会:2025年度 乗用車市場動向調査 p.31(PDF50ページ)の新車購入代金の支払い方法。2024・2025年の新車購入回答者923人。「残価設定あるいは据置型ローン/クレジット」15%。前書きの調査方式変更も確認し、直近の増加とは解釈していません
- トヨタ:残価設定ローンのメリット・デメリット(据え置いた残価にも金利が発生すること)
- Honda:残価設定型クレジット(最終回の選択、返却条件、再クレジットの条件と適用金利。Honda固有の距離・内外装基準を他社共通の基準として扱っていません)
- トヨタ:下取り参考価格シミュレーション(下取り参考価格の変動要因と非保証)
- 金利比較は独自の仮定計算です。月利 r=0.049÷12、借入額 P=3,000,000円、残価 B=1,200,000円。通常ローンの月額は P×r÷{1−(1+r)^−60}。残価型の最初59回の月額は {P−B×(1+r)^−60}×r÷{1−(1+r)^−59}、60回目にBを一括払い。概数を足し直した値ではなく、丸める前の金額から総額を計算しています
- 自動車公正取引協議会:登録(届出)済未使用車の表示上の留意点(定義、試乗車等との区別。2014年資料の税・価格表示例は採用していません)
- ダイハツ:登録(届出)済未使用車のQ&A(価格比較、車検の残期間、色・装備の制約。古い税制の記載は採用していません)
- トヨタ:一般保証/保証継承の条件と手続き(新車登録日から起算する保証の例。継承には条件・手続きがあり、各車の保証書と販売店で確認)
- 自動車公正取引協議会:中古車の支払総額表示(車両価格と必要な諸費用。登録地域・納車方法・希望オプション等の条件をそろえて比較)
※料金・制度の内容は2026年10月25〜26日、登録(届出)済未使用車の資料は同27日に確認したものです。料金や条件は変わるため、契約・利用前には公式情報と見積もりで最新の内容を確かめてください。