公務員を辞めて後悔してない?正直な思いと、辞める前にやるべき3つのこと
「公務員を辞めたい。でも、辞めたら後悔するかもしれない」。私も在職中、同じことを考え——そして、行動に移しました。先に答えを言うと、辞めた今、後悔はしていません。ただ、失って初めて分かった「公務員の恵まれていたところ」も確かにあります。この記事では、公務員を辞めて個人事業主になった私が、その両方を正直に書きます。
結論:公務員を辞めて、今のところ後悔していません
私は公務員を辞めて、今のところ後悔していません。「誰かに言われたのではなく、自分で選んだ道なんだ」。その感覚が、責任とともに、自由への一歩になっていると思っていますし、そう信じています。
ただ、正直に言うと、失ったものは確かにあります。「公務員」というと、毎月決まって振り込まれる給料。そして年2回のボーナス。当たり前と思っていたものが、今ではなんとありがたかったんだなと。笑
だからこの記事では、「後悔していない」という結論だけを押しつけるつもりはありません。後悔していない理由と、失って痛感したものの両方を並べます。読み終わったときに、公務員ではなくても「自分の場合はどうか」を考えるきっかけにしてもらえたら、それが一番うれしいです。
私が何者かは運営者プロフィールに詳しくまとめていますが、ざっくり言うと、公務員を辞めて個人事業主になった30代です。公務員の初任給は、手取り12万円ほどからのスタートでした。
辞めて初めて痛感した「公務員の恵まれていたところ」
ボーナスは、素直にうれしくてありがたかった
在職中、ボーナスは素直にうれしかったです。「公務員だから当然」なんてまったく思えなくて、支給のたびに、ありがたいなあと。
辞めた今、当然ですがボーナスはありません。夏と冬にまとまったお金が入ってくることが、どれだけ家計と気持ちの両方を支えていたか。失ってから、その大きさを思い知りました。毎月の給料とボーナスは、どんなに残業が続こうが、きついことが起ころうが、それを忘れさせてくれる存在でした。笑
まとまった支出や貯金の計画が立てやすかったのも、ボーナスがあればこそです。基本給14万円という決して高くない給料でも貯金を続けられた背景には、間違いなくボーナスの存在がありました。このあたりは手取り12万円でも貯金すべき5つの理由にも書いています。
毎月決まった給料がある安心感は、心の安定そのものだった
そしてもうひとつ。毎月、決まった日に、決まった額が振り込まれる。これが心の安定にどれほど効いていたことか…。
個人事業主になると、収入は自分の働き・結果次第で揺れます。いくら働く時間を増やしても、結果が出なければ収入には反映されません。自由と引き換えに、「来月も大丈夫」という保証がなくなる。今だから言えますが、寝る前に将来への不安な気持ちが出てなかなか寝付けなかったり、夢にまで出てくることがあります。
毎月決まった給料があるということは、思っていた以上に、心の支えになっていました。
知らずに辞めると後悔するかもしれない「転職活動のリアル」
在職中に転職活動をしたら、お祈りメールばかりだった
辞める前、私は在職中に転職活動をしました。「転職先を決めてから辞めよう」と考えたからです。この順番自体は、今でも間違っていなかったと思います。
結果は、うまくいきませんでした。
応募しても、すぐにお祈りメールが返ってくるんです。理由は教えてもらえないので推測になりますが、「公務員には民間で通用するスキルがない」と見られていたのかもしれません。それもそのはず、私自身、「これだけは負けない」というスキルがあるとは、なかなか自信を持って言えませんでした。
そうだろうな〜と思いつつも、やっぱり悔しかったです。
公務員として真面目に働いてきたつもりでした。でも、一つ外の世界に出た転職市場では、その頑張りが「評価される形」になっていませんでした。当然です。中途採用では「結果を出せそうか」を見られます。ましてや公務員と民間では世界観も違いますし、企業の方からしたら評価しづらかったのでしょう。この現実を辞める前に知れたことは、振り返れば本当に大きかったと思います。知らずに退職していたら、あとでもっと苦しんでいたはずです。
内定が出ても、提示される給料は軒並み下がった
それでも、内定をもらえた先はありました。ただ、提示される給料は軒並み、公務員時代より下がるものでした。
ただでさえ安いと感じていた給料が、さらに下がる。
この提示を前に、私は考え込みました。転職しても給料が上がらないなら、何のために職場を変えるのか。そもそも日本全体で給料が上がりにくいのだとしたら、「転職先の給料」だけに人生を預けるのは危ういんじゃないか。この問題意識は給料が30年上がらない日本|今こそ副業を始めるべき理由で詳しく書きました。
転職活動で突きつけられたのは、「公務員の市場価値は、自分が思うより厳しく査定される」という現実でした。だからこそ、いま迷っているなら、辞める前に一度、市場に出てみてほしいんです。
それでも辞めた理由:私の場合「安定は安く定まる」だった
転職活動であれだけ厳しい現実を見て、それでも私は辞めました。矛盾しているように見えるかもしれません。
在職中の私は、同じ部署にいる期間が長いほうでした。そこで得た知識はもちろん今後にも役立つものでしたが、異動した先ではなかなか活かすことができず、「積み上げている」という感覚があまり持てませんでした。公務員は、良くも悪くもジェネラリストが育つ環境です。いろんな部署と関わる中で、コミュニケーション力や調整力が身についたのは間違いありません。それでも私は、得た知識を活かして働きたいと思いました。
そして決め手になったのが、「安定は安く定まる」という感覚でした。安定した身分と引き換えに、給料の伸びも働き方の選択肢も、低い水準のまま定まっていく。この先の10年、20年をそのレールの上で過ごす自分を想像したとき、どうしても心が動かなかったんです。
皮肉なことに、転職活動の結果はこの感覚を裏づけました。市場で評価されない自分のまま同じ場所に居続けたら、選択肢はこの先もっと減っていく。だったら、早いうちに自分の足で立つ練習を始めたい。そう決めました。
公務員は素晴らしい職業。だからこそ「自分がどう生きたいか」で決めた
誤解してほしくないのですが、公務員は素晴らしい職業です。誰かが担わなければ社会が回らない仕事を、責任を持って支えている。一緒に働いた方々を、私は今でも尊敬しています。そしてそれは公務員に限らず、働くすべての人に対して思うことです。
だから「公務員はやめておけ」と言いたいわけではまったくありません。定年まで勤め上げる安定した暮らしも、間違いなく正解のひとつです。
私はただ、この先のキャリアと「自分がどう生きたいか」を照らし合わせた結果、重ならなかった。それだけです。職業がどうこうじゃなくて、私と合うかどうかの話でした。
辞めたその後:収入は減っても、生活は作れる
辞めたあとの私は、運良く、興味のある分野で応募していた職種に就くことができ、個人事業主として活動し始めました。手取りは、10万円にも届かない厳しい数字。それでも「勉強代」と割り切ってスタートしました。とはいえ、不安はずっとつきまといます。
それでも、生活は作れました。鍵になったのは、収入を増やすことより先に、固定費を下げて「少ない収入でも回る家計」を作ったこと。そして、NISAをはじめとした資産形成に取り組んでいたことです。実家暮らしという恵まれた環境だったことも、正直に書いておきます。具体的にどう家計を組んだかは、手取り12万円で貯金500万円を作った固定費見直しの手順にすべてまとめました。
より支出をギュッと締めたことで、意外と気持ちも保てました。
後悔しないために:辞める前にやっておいてほしい3つのこと
ここまでの経験をふまえて、いま迷っているあなたに「辞める前にやっておいてほしいこと」を3つにまとめます。
- ① 在職中に一度、転職市場に出てみる
- ② 固定費を下げて「今の収入でも回る家計」を先に作る
- ③ 「定年まで今の職場で働く安定した暮らし」も正解だと知っておく
在職中に一度、転職市場に出てみる(市場価値を先に知る)
辞表を出す前に、転職活動をしてみてください。目的は転職の成功ではなく、自分の市場価値を知ることです。私のようにお祈りメールが続くかもしれないし、意外と高く評価されるかもしれない。どちらに転んでも、「知った上で決める」のと「知らずに決める」のとでは、後悔の残り方がまるで違います。
転職活動自体は"ノーリスク"です。むしろ、自分の市場価値(サッカー選手みたいですが笑)を知れる良いきっかけになりますし、いろんな会社の雰囲気を知ることができたりします。転職活動を経て、「今の職場って意外と恵まれているんだな」と感謝することもあるかもしれません。
固定費を下げて「今の収入でも回る家計」を先に作る
次に家計です。辞めた直後の収入は、下がる前提で考えたほうが安全です。だからこそ、安定した給料があるうちに固定費を下げておいてください。通信費はその筆頭で、私は格安SIMに変えて大きく下げました。5年使った本音は格安SIMで固定費削減|楽天モバイル5年目の本音と日本通信SIMという選択肢に書いています。
月の支出が下がると、単純に、辞める怖さが減ります。できれば、NISAなどの資産形成にも取り組めたらよりGoodです。私の場合は、コツコツ続けていた積み立てが、辞めたあとの心の支えにもなりました。
「定年まで今の職場で働く安定した暮らし」も正解だと知っておく
最後は心構えの話です。ここまで読んで「やっぱり辞めるのは怖い」と感じたなら、その感覚も大事にしてください。定年まで今の職場で働く安定した暮らしは、間違いなく正解のひとつです。辞めた私が言うのだから、負け惜しみでも建前でもありません。
「辞める=挑戦、残る=逃げ」という図式は、成り立ちません。どうしたいかの答えは、現時点の自分だけが知っている真実です。
まとめ:正解は、人の数だけある
公務員を辞めて後悔していないか。私の答えは「今のところ、していません」でした。ただしそれは、失ったものがなかったからではありません。失うものを転職活動で先に知り、家計を先に整え、その上で「自分がどう生きたいか」に沿って、"自分で"決めたからだと思っています。
人に言われるままに決めていたら——残るにしても、転職するにしても——必ず後悔していたと思います。事実、まわり(家族や職場の先輩・同僚)からは、説得するように引き止められました。笑 でも、私の決心と覚悟は決まっていました。
辞める前にやっておいてほしいことは、この3つです。
- 在職中に一度、転職市場に出て自分の市場価値を知る
- 固定費を下げて、今の収入でも回る家計を先に作る(できればNISAなどの資産形成もセットで)
- 「定年まで今の職場で働く安定した暮らし」も正解だと知っておく
最後にもう一度。正解は、人の数だけあります。家族構成、家計の状況、働き方、そして「どう生きたいか」。それらが違えば、選ぶ道が違って当然です。残るか、辞めるか。どちらを選んでも、自分で納得して選べたなら、それがあなたの正解です。
迷っている時間も、無駄ではありません。私も迷いました。この記事が、その迷いを整理する材料のひとつになれたらうれしいです。
今、この瞬間に決めなければいけないわけではありません。この記事が、自分の今後の人生観をゆっくりと考えるきっかけになれば、控えめに言って最高です!