家計簿が続かない人へ|固定費と大きな支出から始める3ステップ
最終確認:2026年8月16日
「今度こそ家計簿をつけよう」と始めたのに、レシートがたまって開かなくなった。
そんな経験があっても、自分を責めなくて大丈夫です。家計簿が続かないときは、意志の強さよりも、最初に記録する範囲と、記録の仕組みを見直してみてください。
範囲とは「何を記録するか」、仕組みとは「どうやって記録を残すか」のことです。たとえばクレジットカードや、カードに連携したキャッシュレス決済に支払いをまとめておけば、記録の多くは自動で残ります。手で書く量が減るだけで、続けやすさは大きく変わります。
結論から言うと、最初からすべての支出を1円単位で記録しなくても構いません。
まず確認するのは、次の二つです。
- 毎月支払いが続く固定費
- 見過ごすと家計への影響が大きい大きな支出
私は社会人になった当初、手取り約12万円でした。家計管理の入口で実際に行ったのは固定費の抽出です。その後、固定費の見直しと先取り貯金を続け、貯金500万円を達成しました。家計簿は5年以上続いています。
現在は30代の元公務員で、個人事業主として収入を作り直している途中です。私自身は性格的に、できるだけ漏れなく支出を記録したいタイプです。そのために現金での支払いをできるだけ減らし、カードや連携した決済に寄せて、記録が自動で残るように工夫しています。
ただ、最初からそこを目指す必要はありません。まずは記録の習慣をつけること。その中でも金額の大きな支出と固定費を定点で確認すること。カードや口座を連携できるなら連携して、自動化できる部分は自動化しておくこと。この順番なら、スタートのハードルはぐっと下がります。
一つだけ、先にはっきりお伝えしておきます。家計簿は、資産形成の一丁目一番地です。何にいくら使っているかを記録せずに、貯金や資産を積み上げていくのは、正直かなり難しいと思っています。ボディメイクで食べたもののカロリーを把握せずに体を絞るのが難しいのと同じです。小さなズレは、放っておくと後から大きな差になります。だからこそ、細かさよりも「続くこと」を優先して、記録そのものは絶対に手放さない。この記事の3ステップは、そのための入口です。
この記事では、過去に家計簿が続かなかった方でも再開しやすい方法を、3ステップで紹介します。
結論:最初は固定費と大きな支出だけでよい
最初はSTEP1とSTEP2を行い、慣れてきたらSTEP3を加えます。STEP3まで含めた記録を、無理のない形で続けるのがゴールです。
| ステップ | やること | ゴール |
|---|---|---|
| STEP1 | 手取り収入と目的・目標を確認する | 使える金額と、家計簿をつける理由が分かる |
| STEP2 | 固定費と大きな支出を書き出す | 今月のお金が減った主な原因が分かる |
| STEP3 | 慣れてきたら変動費も記録する | 支出の傾向が分かり、家計簿が完成する |
家計簿は、空欄のない記録を作るためのものではありません。お金の流れを把握し、改善につなげるための道具です。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)の教材でも、家計管理の流れとして、収入と支出の把握、支出の見直し、貯める仕組みづくりが示されています。支出を見直す順番は、固定費が先、変動費が次です(資料15〜18ページ)。
STEP1:手取り収入と目的・目標を確認する
最初に、給与明細や入金履歴を開き、実際に使える手取り収入を確認します。
個人事業主などで毎月の収入が変わる場合は、まず直近数か月の入金と生活費を並べ、少ない月でも無理のない家計を考えます。厳密な平均を出すことより、使える金額を多めに見積もらないことが大切です。むしろ、少し厳しめに見積もることをおすすめします。
次に、家計簿をつける目的を一つ決めます。
- 給料日前にお金が足りなくなる理由を知りたい
- 毎月少額でも貯金したい
- 使っていない固定費を見つけたい
- 旅行や家電のためのお金を準備したい
あわせて、達成したい目標も一つ決めておきましょう。目標があると、記録を続けるモチベーションが湧きます。
- 半年後までに10万円貯める
- 来年の旅行代を先に用意しておく
- 毎月5,000円を先取り貯金にまわす
- 年内にサブスクを一つ減らす
目的や目標を増やしすぎると、記録する項目も増えやすくなります。まずは、今一番困っていることと、叶えたいことを一つずつ選べば十分です。
STEP2:固定費と大きな支出を書き出す
通帳、クレジットカード、電子決済の明細を一つ開きます。最初からすべての明細を集めなくても大丈夫です。普段よく使うものから、まずは始めてください。慣れてきたら少しずつ範囲を広げ、最終的には抜け漏れのない家計簿を目指します。
先に確認する固定費
- 家賃・住宅ローン・駐車場代
- スマホ代・インターネット代
- 電気・ガス・水道
- 保険料
- 教育費(保育料・学費・習い事)
- サブスク・会費
- 車のローンなど、毎月の返済
水道光熱費の金額は月によって動きますが、契約や支払い自体は翌月も続きます。一度一覧にすると、毎月ゼロから作り直す項目を減らせます。
固定費は、一度見直すと効果が翌月以降も続きやすい支出です。ただし、必要な保険や生活に欠かせないサービスまで、金額だけを見て解約する必要はありません。
「大きな支出」は自分で線を引いてよい
ここでいう大きな支出とは、ざっくり言うと「あとで見返したときに、何に使ったか忘れたくない金額の支出」のことです。二つの種類があります。
- ① 普段の買い物の中で、自分にとって金額が大きいもの(たとえば「1万円を超えた買い物」)
- ② 旅行、家電、冠婚葬祭、税金、車検など、毎月は発生しないけれど時期が来るとまとまって出ていくお金(=特別費)
「いくら以上を大きな支出とするか」に、全員共通の答えはありません。3,000円、5,000円、1万円など、自分にとって「これは覚えておきたい」と思う金額を仮の線にしてください。
線の引き方は、家計簿の負担に合わせて動かして構いません。続けるのがしんどいと感じる時期は線を上げて件数を減らし、「これなら全然いけそう」と思えたら線を下げて、より細かい支出まで記録にチャレンジする。この緩め方・締め方ができると、家計簿はぐっと長続きします。
なお、大きな支出のために新しい費目を作る必要はありません。たとえば1万円を超える買い物をしたら、食費なり娯楽費なり、いつもの費目に入れたうえで、あとで見返せるように印やメモを一つ付けておく。それだけで十分です。
大きな支出を見つける目的は、高い買い物をした自分を責めることではありません。
- 予定していた支出だったか
- 買った後の満足度は高かったか
- 次も起こるなら事前に準備できるか
この三つを確認できれば、次の家計改善につながります。
STEP3:慣れてきたら変動費も記録する
STEP1とSTEP2だけで負担を感じた時期は、いったんそこで足踏みしても構いません。ただ、止まったままにはしないでください。固定費と大きな支出が見えるようになったら、次は日常的な変動費も記録に加えます。食費や日用品のような毎日の小さな支出こそ、積み重なると家計を大きく動かすからです。
最初は、次のような大きな分類で十分です。
- 食費
- 日用品
- 交通費
- 娯楽・趣味
スーパーで食品と日用品を一緒に買ったときのように、どちらに入れるか迷う支出は、金額の比重が大きいほうに寄せます。それでも迷うなら「このスーパーで買ったものは食費」のように、自分でルールを一つ決めてしまうのがおすすめです。「その他」に逃がすと、あとで見返したときに結局何に使ったのかが分からなくなります。
項目を増やすのは、その支出だけ分けたほうが次の判断に役立つと分かってからで構いません。
家計簿を続ける3つのコツ

① 記録する場所は一つにする(おすすめはスマホの家計簿アプリ)
ノート、表計算、複数のアプリを併用すると、どれが家計簿の本体なのか分かりにくくなります。本体は一つに絞り、カード明細などは確認用に使います。手書きは書き写す手間がどうしても増えるので、私のおすすめはスマホの家計簿アプリです。とはいえ、続くかどうかが一番大事なので、自分に合ったやり方で始めてみてください。
② 手入力の人は、買い物のたびにその場で記録する
週末や給料日にまとめて記録すると、たまったレシートを見返すこと自体が嫌になりがちです。手で入力する方は、買い物をしたその場で1件ずつ入れるほうが、忘れにくく、記録が少しずつ積み上がっていく達成感も得られます。もし記録を忘れて金額まで思い出せない日があっても、空欄にはせず、分かる範囲でざっくり書いておきましょう。カードや口座を連携している方は、この手間の多くを省けます。
③ 月に一つだけ改善する
固定費や大きな支出を見て、来月変えることを一つだけ決めます。サブスクを一つ確認する、特別費を少し準備するなど、小さな行動で十分です。一度に大きく変えるより、小さな改善を毎月積み重ねるほうが、結果として貯まるお金は大きくなります。
1か月後に確認するのは3つだけ
1か月分の記録がたまったら、次の三つを見ます。
① 見直せそうな固定費はあるか
使っていないサブスクや、現在の使い方に合わない通信プランがあれば、見直し候補です。
② 金額が大きかった支出は何か
支出が多かった月でも、原因が旅行や家電の買い替えだと分かれば、普段の生活費が増えた月とは分けて考えられます。今後も発生しそうなら、毎月少しずつ特別費として準備します。
③ 満足度が低い支出、覚えていない支出はあるか
優先して見直したいのは、高額な支出そのものではなく、満足度が低い支出や内容を覚えていない支出です。「高かったけれど、使ってよかった」と思えるなら、大切にしたい支出かもしれません。
手書き・アプリ・表計算はどれを選ぶ?
| 方法 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 手書き | 現金払いが多い人、書くことで頭を整理したい人 | 転記が負担にならない項目数にする |
| 家計簿アプリ | カード・口座払いが多い人、入力を減らしたい人 | 自動分類が合っているか確認する |
| 表計算 | 自分で項目や集計方法を作りたい人 | 最初から複雑な表にしない |
私は現在、マネーフォワード MEを使っています。
公式サイトでは、銀行の入出金やクレジットカードの履歴を取得し、家計簿を自動作成・分類する機能が案内されています。機能や利用条件は変わる可能性があるため、利用前にマネーフォワード ME公式の機能案内を確認してください。
一方、口座やカードの連携に抵抗がある方は、無理にアプリを使わなくても始められます。月に一度、公式の明細を見て、固定費と大きな支出だけをノートへ写す方法でも構いません。
家計簿の道具は、機能の多さではなく、来月も開けそうかどうかで選んでください。
記録を「手で書く量」は減らせても、記録そのものはやめない
すでに次の状態を作れている方は、手で入力する量をかなり減らせます。
- 先取り貯金を自動化できている
- カードや口座を連携し、支出が自動で記録されている
- 固定費と大きな支出を把握できている
この状態なら、毎日入力する時間はほとんど要りません。月に一度、自動で残った記録と口座残高を眺めて確認するだけで十分です。
ただし、記録そのものをやめてしまうのは、おすすめしません。私自身、5年以上家計簿を続けてきて感じるのは、記録があるからこそ「今月は何が原因で減ったのか」「来月どこを直すか」を迷わず判断できるということです。手間は仕組みで減らし、記録は続ける。これが一番、貯まる形だと思っています。
固定費が見えたら、効果の大きい項目から見直す
固定費を書き出した後は、効果が大きく、手間が軽い項目から一つずつ見直します。
私が手取り約12万円の頃から行った固定費削減の順番と実際の削減額は、固定費の見直しは最初が肝心|手取り12万円で貯金500万円を作った手順にまとめています。
通信費が見直し候補になった方は、楽天モバイルを5年以上使った本音と注意点も参考にしてください。私が現在も利用しているサービスですが、生活圏の通信状況やデータ使用量によっては合わない人もいます。
よくある質問
Q1. 家計簿は毎日つける必要がありますか?
A. 「毎日」というより「支出があったその場で」がおすすめです。手で入力する方は買い物のたびに1件ずつ、カードや口座を連携している方は自動で記録が残るので、月に一度まとめて振り返るだけで足ります。
Q2. レシートがなくても再開できますか?
A. 再開できます。通帳、カード、電子決済の明細から、固定費と大きな支出を確認してください。分からない現金払いは、金額をざっくり書いておくだけでも十分です。
Q3. 特別費とは何ですか?
A. 旅行、家電、冠婚葬祭、税金、車検など、毎月ではないものの、時期が来ると発生する支出です。過去1年の明細や予定表を見ると見つけやすくなります。
Q4. 大きな支出はいくら以上にすべきですか?
A. 一律の基準はありません。あとで内容を忘れたくない金額や、家計への影響が気になる金額を仮に決め、しんどければ線を上げ、余裕が出たら線を下げて調整してください。
まとめ:完璧な家計簿より、再開できる家計簿を
家計簿が続かないときは、すべてを細かく記録しようとせず、次の順番で再開します。
- ① 手取り収入と目的・目標を一つずつ確認する
- ② 固定費と自分にとって大きな支出を書き出す
- ③ 慣れてきたら、変動費も記録する
今日することは、通帳かカード明細を一つ開き、毎月払っている固定費と、今月の大きな支出を三つずつ書き出すだけです。そこから少しずつ範囲を広げて、変動費まで含めた記録を、あなたのペースで続けてください。家計簿が続いている人と続いていない人の差は、1年後、5年後の貯金額にはっきり表れます。
もし途中で続かなくなっても、落ち込む必要はありません。抜けた日があっても、また今日から戻ればいい。そして「もう一度やってみよう」と思えたその気持ちが、すでに家計改善への一歩を踏み出している証拠です。
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文:ロッキー
参考資料
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- マネーフォワード ME「家計簿を自動作成」(2026年8月10日確認)
- マネーフォワード ME「自動取得とは」(2026年8月10日確認)